離婚にともなう法律問題

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今日は【離婚】についての基本的な法律問題を,広くざっと説明します。

離婚の法律相談は,私だけではなく,大多数の弁護士も多数受けていると思いますが,
そこで必ず問題になることについて少し書いてみます。
私もご多分に漏れず,離婚関係(認知や面会交流なども)は一番取扱いが多い分野の一つです。

【離婚は簡単にできる?】
日本は外国に比べ,離婚しやすい国といわれています。
考えてみたら,双方の合意があればですが,緑色の紙1枚を市役所等に提出すれば
それで離婚が成立するわけですから。
一方,たとえばフランスなどは,何らかの形で裁判所が関わります。

では,それはいいことか?というと,そうでもないことも多いです。
離婚を急ぐ一心で,取り決めておくべきことが決められていない,
あるいは不十分な内容だということはよくありますし,
そのために離婚後(主に子を持つ母親が)困ってしまう,ということも見受けられます。

ですから,離婚の条件を検討するとき,できれば弁護士に内容をチェックしてもらうべきだと思います。
どんなことを検討しなければならないか?ということを,つらつらと書いてみます。

【離婚のときにあわせて何を決めるか?】

<親権>
まず,未成年のお子様がいらっしゃるときは,父母のどちらが親権を持つか必ず決めなければなりません。
ここでもめることが多いです。
もめることが多いのですが,「意地」ではなく「子供のためにどちらがいいか」という観点から検討すべき問題です。
親権は「権」という文字が入っていますが,「権利」というより「義務」だと思った方が良いと思います。
世間体や体面,メンツや意地ではなく,子供の立場から考えなければなりません。

<養育費>
未成年のお子様がいらっしゃる場合,今後子供を自分のところで育てる親は,
もう一方の親から月々の養育費を受け取ることができます。
この金額は,裁判所のウェブサイトにも載っているように,だいたいのところは決まっていますし
iPhoneで養育費を算定できるアプリもあります。
が,この算定表は万能ではありません。
双方が子供をそれぞれ引き取るといった場合には,算定表ではなく基準式に基づく計算が必要になります。
また,いつまで発生するのか,ということも問題になります。18歳なのか,20歳なのか,22歳なのか。
「養育費はいらない。早く離婚したい。」という声はよく聞きますが,
お子様のためです。じっくり検討すべき問題だと思います。

<面会交流>
夫婦は離婚したら他人ですが,親子の関係は親同士が離婚しても変わりません。
原則として,実際に手元で育てている親は,他方の親に対し,子供に会わせる(これを「面会交流」といいます。一昔前は「面接交渉」と言っていましたが,いずれにしても略語は「面交」です)義務があります。
しかし,よく誤解されるのですが,面会交流は「親の権利」というだけではありません。
むしろ,「子どもの権利」という側面が強いものです。
実際に毎日子供に会っていない親の気持ちにしてみたら,面会交流は格別です(一般論ですが)。
それは,子供としても同じです(一般論ですが)。
ですから,「養育費もいらない!だから子供にも会わせない!」というのは,
気持ちとしてはよくわかりますが,それが通じない場合も多いということを知っておいていただければと思います。
なお,面会交流と養育費はセットではありませんし,対価でもありません。
「養育費はいらないから面会交流させない」というのは理論としては難しいところです。

<年金分割>
離婚時の年金分割という制度があります。
(多くは)夫名義で入っていた厚生年金や共済年金(将来もらえる年金)を夫婦で分割する制度です。
だいぶ周知されてきて,よく調べてきている相談者の方は,年金分割もしたいとおっしゃる方が多くなっています。
年金分割は離婚後も2年間は請求できますが,機械的に定まるものなので,できれば離婚と同時にやってしまうべきです。
さんざん揉めて離婚して,あぁ年金分割もあったっけ,となっても,年金分割手続をする余力が残っていないし
後でやればいいやと思っていたらあっという間に2年経ってしまった,ということも考えられます。

<慰謝料>
親権ともに揉める最大の要因のひとつが「慰謝料」です。
「慰謝料」という言葉が一人歩きしていて,離婚の時は必ずもらえるという誤解も一部であるようです。
が,不貞や暴力(DV)など,「不法行為」である場合にのみ認められるものなので,
何でもかんでも「慰謝料1000万円!」というのは得策ではないでしょう。

<財産分与>
これも誤解があるのですが,何でもかんでも夫(多くの場合)の財産の半分を受け取る権利がある,
と言うわけではありません。
結婚したときの財産から離婚(あるいは別居)するときまでに増えた財産・減った財産の「差額」について,夫婦で分ける,というのが財産分与です。
しかも,その増えた分が「固有財産」,たとえば親の遺産が入ってきた場合などは,それは財産分与の対象にはなりません。
ですから,もともと3000万円の貯金を持って結婚して,それが給与などで4000万円に増えたところで財産分与,という場合,
全額の4000万円を分割するのではなく,増えた分の差額1000万円を分割することになります。
また,「減った場合」の処理は深刻です。
せっかく家を建てたが,土地建物の評価額より住宅ローンの残高の方が多い,というのは本当によくあることです。
そういう場合の処理は,常に悩ましいものがあります。

【まとめ】
以上のように,「離婚」といっても,これだけのことを(できれば事前に)まとめておく必要がありますので,
できれば事前に弁護士に相談した方がいいと思いますし,お金のやりとりがあるのならば公正証書にするか,
あるいは調停を申し立てることを検討すべきと思われます。

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