新型コロナウイルス感染症とエンターテインメント

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新型コロナウイルス感染症は現在「第3波」に突入しているようです。

裁判所は,第1波のとき,緊急事態宣言が出るや,通常業務をストップさせました。

利根川以南の1都3県の裁判所では,その影響が現在も残っています。

(高崎の裁判所と熊谷の裁判所って,規模もだいたい似ているのですが,高崎の裁判所はもう,ほぼ平常業務です。一方,利根川(烏川?神流川?)を隔てた熊谷の裁判所は,破産なり調停なりを申し立てても一向に進みません。)。

 

今年は,全ての皆さんが,それぞれのフィールドでコロナとたたかっている,そんな1年です。

 

当事務所もコロナを機に,だいぶ業務のクラウド化・効率化をはかりましたが,業務としても,顧問先企業様からの契約書チェックの依頼が「前年比何倍だろう?」というくらい増えました。

4月の改正債権法施行もある上,コロナ禍で大企業などが「そうだこの機に」と思ったのか,協力会社等との基本契約書をがっつり改訂しようとして,その契約書が私の顧問先企業様方に送られ,私の手許に届く,という流れが多かったのでしょうか。

顧問料をいただきっぱなしというのはもったいないし,おそれおおいので,どんどん契約書のチェックなどの業務を投げていただきたいと思います。

 

飲食,製造など,様々な業種の方々がコロナでダメージを受けていますが,エンターテインメント業界というのは,本当に壊滅的な被害を受けていらっしゃいます。

「衣食住」は人間に不可欠ですが,エンターテインメントは「余暇」「プラスアルファ」「ぜいたく」だから,こういう非常時に一気にしわ寄せが来るのでしょう。

 

しかし,そんな中だからこそ,エンターテインメントの素晴らしさ,尊さを実感した1年になりました。

 

まず,東京ディズニーリゾート(TDR)。

私は,以前,関東弁護士会連合会の災害PTで,TDRの運営会社であるオリエンタルランドに視察させていただき,東日本大震災のときのTDRの皆様の対応がまさしく「神対応」だったことを学びました(関弁連だより2016年11月号に寄稿しています)。

TDRは「夢の国」です。本当にたくさんの人々に「特別な時間」を提供してくれます。最大かつ究極のエンターテインメントであるとすら思います。

オリエンタルランドの皆さんはそれを誰よりも認識しているからこそ,東日本大震災時のすばらしい対応が当然のようにできたのだと思います。

それ以来,災害時でも,非常時でも,TDRが業務を続けてくれている,というのは,私の中で心強く思っているところでした。

 

しかし,コロナ禍で,TDRの営業が自粛されました。

私自身は,普段はTDRが特段大好きというわけでもなく,家族で毎年1回くらい,ミラコスタかディズニーランドホテルに宿泊して,1泊2日を強行軍で乗り切るという程度でした。

しかし,それにもかかわらず,ものすごく不安になりました。

TDRが営業していないのです。舞浜に行っても,あのエントランスから先へは入れないのです。

「今,自分は,TDRが営業していない世界線に紛れ込んでしまった」と絶望的な気持ちになりました。

 

TDRは「衣・食・住」には関連しない,人生に不可欠とはいえない「あそび」の部分です。

TDRのことを思い出さずに終わる1日の方が圧倒的に多いと思います。

それでも,日本国民(のみならず世界中の人々)を楽しませてくれるTDRの灯が消えている,というのは,コロナ禍の象徴のような気がしたのです。

 

緊急事態宣言が開けてほどなくして,TDRが再開されました。

 

私も,「あの」(徹底的にお客様ファーストの)オリエンタルランドが,コロナ禍とどのようにたたかう決意をしたのか,いてもたってもいられなくなり,夏,行ってきました。

災害復興を扱い,会社や施設のBCP(事業継続計画)策定・改訂への関与もしている立場としては,オリエンタルランドがどう対応したのか,現地で学ぶことは,最良の教材だと思ったからです。

 

・私の中で「どうしても避けられないであろう『密』」と思っていたホーンテッドマンションの最初のエレベーター(的フロア)がどう変わるのか。

・『密』でしかないあの行列はどうなるのか。

・食事はどうか。

・マスクと熱中症が叫ばれていた時期だったので,水分補給対策はどうか。

 

結論とすると,見事としか言いようがありませんでした。

至るところにアルコール消毒液。トイレも普段以上にきれい。

ホーンテッドマンションのエレベーター(的フロア)はあんな感じになり,行列はディスタンスを保ったものになっていました。

驚いたのは,どのアトラクションも,最大50分待ちくらいだったことです。

密を避けるため,もんのすごい長い行列になっていましたが,あれよあれよと歩いているうちに,アトラクションに着いていたのです。

 

ファストパス争奪戦もなく,ハッピー15もありません。

 

なのに,この余裕さ。

朝から動き始め,子どもたちが乗りたがっているアトラクションをだいたい制覇して,まだ午後4時とかでした。

ファストパスいらずですね。

 

TDRで感染拡大させないために,という一貫した姿勢が感じられ,お見事でした。

 

本当はもっと人を入れないと経営的には厳しいのだと思います。

日本に,TDRという最大のエンターテインメントの「旗」が立ち,「灯台の灯」も再びともりました。

この種火が消えないように,ファンが,自らを文化の守り手としての自覚を持って,守っていかなければならないんだろうなと思いました。

 

そして,2つ目のエンターテインメントは,プロ野球。

私は巨人ファンで,ファンクラブの会員でもあるわけですが,ドームに行くとだいたい巨人が負けるので,非巨人ファンの友人達からはどんどんドームに行けと言われ,巨人ファンの友人達からは頼むからドームには行くなと言われている部類のファンです。

 

なかなかオンタイムで見ることは難しいですが(子どもたちの風呂上がりのケアあたりでテレビをつけると8時半くらいです),勝った日にCSでプロ野球ニュースを見るのは最高です。

 

そんなプロ野球ですが,コロナ禍で,今年は無理だろうなと思っていたのです。

しかし,関係各位のものすごい努力のおかげで,シーズンを開くことができました。

 

開幕の日,私は,大津の裁判所で裁判を終えて,関東方面に向けて東名高速道路を疾走していました。

国民的エンターテインメントのひとつであるプロ野球がコロナ禍を乗り越えて返ってきた。

これも,日本のプロ野球業界,スポーツ業界の並々ならぬ「覚悟」を示すものでした。

「衣・食・住」とは直接関係ないもの。でも,見ている人の目を輝かせるもの。

開幕前の原監督,矢野監督のスピーチを聞いていて,ようやく日常が戻ってきたという安心感が沸いてきました。

でも,その安心感も,ぼんやり待っていた結果表れたふわっとしたものではありません。

絶対に開幕させる,感染拡大防止と両立させるという強固な意思を持った関係者のみなさん,医療関係者の皆さん方の献身的な動きがあってこそ作られたものです。

そう思うと,「日常」「余暇」「プラスアルファ」がいかに大事なものかということを,強く思い知らされました。

 

コロナ禍は,残念ながら,まだまだ続くと思います。

国や行政の財布も底を尽きてしまったような感があります。

自分たちの生活を守ることはもちろん一番大事なことです。

それに加えて,守りたい文化,エンターテインメントに対しても,応援の意味もこめて,お金を使うことが必要なのではないかと思います。

 

今日は弁護士業務とはあまり関連のないことでしたが,絶対に書いておきたいと思ったことなので,書いてみました。

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